生かされた命

島原市の鐘ヶ江管一元市長(2025年没)は平成3年6月3日普賢岳に向かう途中に神経痛が悪化し鍼灸院に立ち寄ったため、大火砕流を免れたという。先日、読売新聞の追悼欄で知った。鐘ヶ江さんは以降「生かされた命」と思い43名の犠牲者や住民のために尽力されたという。たまたま神経痛が悪化したことで鐘ヶ江さんの命が助かった、偶然の幸運だ。
私にも似たような偶然がある。令和3年(2023年)3月29日 会社OB仲間の親睦会。この日がボクが「生かされた命」の日。実は出席するには義歯や虫歯もきれいにしておかなくては、「歯科院も半年したら来い」と言ってたし、軽い気持ちとノリで半年ぶり歯科医院に行った。
歯科医は私の口内をみて「すぐ大学病院に紹介状を書きます」、つまり「口内に変な腫瘍用のものがある」とのこと。 以降は検査、検査、すぐ「左上顎悪性腫瘍 全頸部リンパ節転移」癌ステージⅣ診断。勿論懇親会は欠席。4月25日に12時間の手術、以降治療、リハビリ入院計3か月。結果「寛解」診断されて今に至っている。
親睦会がなかったら歯科医院にも行っていなかった。痛みはないし食事も食欲もある通常のOBの生活をしていた。 人間塞翁が馬、何が起きるか先のことは分からない。今でも「歯医者にでも行っておくか」のこの気持ちがなかったら今頃、こうして生きてパソコンを打っていることはなかったろう、とつくづく思う。

